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文:三科 保



ペットの犬や猫の具合が悪くなると、誰でも迷わずに動物病院へ連れて行くが、意外なことに学校で犬猫の病理や治療に関する専門知識の講義を受けた獣医はほとんどいない。解剖学で犬をちらりと、外科実習で、犬にお世話になった位である。猫に関しては何も教わっていない。

そもそも日本の近代獣医学は明治維新以降、陸軍の獣医が中心となって発達してきた経緯から最近迄獣医学でいう動物とは馬のことで、畜産といえば牛、豚、鶏であった。

別の言い方をすれば、たてまえとしては具体的に個々の動物でなく、抽象的な動物一般を研究対象とするわけだが、本音は、やはり馬や牛中心なので、せいぜい実験動物が加わる程度である。

したがって私が大学の獣医学科を卒業した1976年まではまだ、馬が中心で、私は犬猫のことをきちんと系統的に教室で教わった記憶がないから、恐らく私と同年代および先輩獣医も同じに違いない。

私が獣医になった動機は、高三の時、北海道へ旅行(実は大学受験)した帰りの青函連絡船のなかで会った三浪の青年の実家が牧場で、その人から聞いた色々な動物の話が私に獣医の道を選ばせる直接の動機だった。確か1970年代の初めで、学生運動の活発だった頃という記憶があるが、新左翼諸党派には今一つ賛同出来ない部分があった私は、そのエネルギーが知らないうちに動物に対する尽きない興味へと変化していったように思う。

その後初めて飼った(飼うという表現は嫌いなのだが)真っ白な猫のマーチは、四六時中患者として付き合っている犬猫とは違った1対1の対等な情感を私との間に芽生えさせ、疲れて帰宅した私の気持ちをどれほど癒してくれたかしれない。さらに家内がまれにみる動物好きだったこともあって、マーチは私たち夫婦にペットの楽しさや付き合い方をじっくりと教えてくれた。マーチのおかげでわれわれはペットを『飼う』という関係から、『一緒に生活する』家族の一員と思うようになった。

前述のように、学校で犬猫のことを習わなくても、動物病院を開業すればほとんどの患者さんは犬か猫だから、馬を診察するより小さくて全部に目が届くペットにいつの間にか精通してくるから不思議だ。それどころか、たくさんの犬や猫を診ていると、彼らが家庭内でどのような扱いを受けているかすぐ判ってしまう。診察台に乗せられた時、可愛がられている動物達は獣医を見ずに主人から目を離さない。反対に絶えず叱られているペットは、主人を見るのが怖くてむしろ獣医の顔を見ようとする。そして、私が手を差し出すと咬もうとしたり、すぐに身構えたりする。

顔色を読むとは人間同士だけでなく、動物と人間の間にも存在する。最近よく言われるお年寄りに対するペット・セラピーが良い例で、動物の目を見ていると落ち着くとか、癒されると言われるのは、犬や猫は人間と情感を共有できる動物だかららしい。

私も猫のマーチから絶えず癒してもらったことが忘れられないし、お年寄りも動物達から知らないうちに元気をもらっている事実から見て、実は動物達は人間に理解できない特殊な能力で、我々人間共の行動を冷静に観察しているのかもしれないと、私は時々思うのである。



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