ライブハウス 映画村 テレビ局 オープンカフェ ホームページビレッジ 暮らしの便利帳 トップページ
新聞社 病院 ステーション オススメ商店街 町役場
スペシャルコラム
黒田 長美
[宮中参賀のこと]
石上 申八郎
[韓日ワールドカップを十倍楽しむ方法(保存版)]
小山 觀翁
[年間150万人が利用する歌舞伎イヤホンガイド]
三科 保
[犬猫のことを習わなかった獣医]
連載コラム
吉田 公平
[生きること・学ぶこと]
斉藤 正彦
[心と身体の老年学]
住友ファミリー
[植木屋さんの歳事記]
瀬川 昌昭編
[糸川英夫の日本の未来への警告]
時事リンク

「新聞社」は、新聞出身の仲間がおりませんので当面コラム欄とリンク集としました。
新聞関係ジャーナリストの方でご協力いただける方、ぜひ庶務課へご連絡ください。

庶務課へ!

 



 

韓日ワールドカップを10倍楽しむ方法
文:石上 申八郎


 
サッカーファンのぼくとしては、居住させていただいているVillageの住人の中にもサッカーファンがいるのかどうか、気にかかっていたところですが、村はずれを散歩していたところ、Villageの御長老から声をかけられ、あと半年に迫った韓日ワールドカップ(-これが正式名です-)についての文章を求められました。

12月に本戦の組み合わせ抽選も終り、ワールドカップまであと半年に迫って、マスコミでも記事や番組が多くなってきましたが、例によってマスコミの関心というのはひどく偏ったもののようです。簡単に言えば、殆どは「日本チームがどのくらいの成績を残せるか(それも大概は日本が予選リーグを突破できるかどうか)」というものです。それに加えるものがあるなら、せいぜい「優勝チーム占い」でしょうか。

しかし実際には、ワールドカップ(あるいは一般にサッカー)の楽しみの中で、それらはごく一部にすぎません。確かにワールドカップはナショナルチーム同士が戦う大会に違いないとしても、チームやその勝敗を度外視して、出場選手の一人一人に注目して見ることも可能です。いえ実はそうして見始めたとき、試合は何倍も面白くなるはずです。サッカー場とは、実は男の品評会場でもあります。ぼくの私見になりますが、今大会で注目すべき選手たちの名を少し挙げてみます。

[1] 文句なしの実力派選手。ヴィエラ(Fr.)、ジダン(Fr.)、ベロン(Ar.)、リバウド(Br.)カヌー(Ni)。こいつら(失礼)は、デカい、上手い、速い、強い、と三拍子も四拍子も揃った選手たちだ。デカくて強い、あるいは上手くて速い選手でも十分だが、四拍子となると、世界広しといえ、数えるほどしかいない。日本には少なくともあと100年は出てこないような恐るべき選手達だ。当然このような選手を抱えたチームは優勝候補にもなる。ちなみに彼等の身長は190?前後で、カヌーにいたっては197?あり、軽快な足技と高度なイマジネーションを合わせもつ。クライファート(Ne.)も彼らと同レベルにあるが、オランダが予選落ちして出場できない。

[2] ゲームメイカー(最近ではファンタジスタなどと呼ぶ)。サッカーファンにはいちばん、たまらない種類の選手。勿論足技もあり、敵の選手も観客も騙すような、考えもつかなかった唖然とさせるようなプレーを見せてくれる選手。デル・ピエロ(It.)、ルイ・コスタ(Po.)、ザホヴィッチ(Sl.)など。リトマネン(Fi.)、カラーゼ(Gg)が予選敗退で出場できないのは、すごく残念だ。余談になるが、このジャンルを含めて、過去にも名選手でありながらワールドカップには縁の薄い選手というのは数多くいた。ベスト(nIr.)、ウェアー(Li.)などは弱小国に属していたからだが、シュスター(Gm.)、カントナ(Fr.)、ジノラ(Fr. )などは、クラブチームでプレーすることに比べて、ワールドカップそのものにそれほど興味を示さなかった。天才クライフ(Ne.)も同様で、自らの美学を貫き、本大会には一度しか出場していない。今大回もオランダ、ユーゴ、ルーマニア、コロンビアなどの強豪国が予選で敗退している。

[3] ドリブラーサッカーというゲームの華はなんといってもドリブルだろう。オーウェン(En. 2001年にバロン・ドール-欧州最優秀選手)、フィーゴ(Po. 2001年FIFA最優秀選手)、デニウソン(Br.)、ジュニーニョ(Br.)、などがいる。ピレス(Fr.)は珍しく185cmと長身のドリブラー。無敵のテクニシャンで左サイドの最速ドリブラーであるギグス(Wl.)は、自国が弱いために、おそらく一生涯ワールドカップには出場できない。

[4] ストライカー=点取屋。技巧で、ガムシャラに根性で、運だけで---など色々なタイプあり。ロナウド(Br.)、アンリ(Fr.)、ラウル(Sp.)ヴァンチョペ(Ctr.)は、技術のある実力派。バティストウータ(Ar.)は強シュートを持つガムシャラ派。シェリンガム(En.)は酒飲みでも有名。かつての西鉄ライオンズの選手というところ。技巧派ではないが、英国の田舎の職人風でシブイ。シェフチェンコ(Uk.)、ファン・ニステルローイ(Ne.)は出場できない。

[5] ビジュアル系。サッカー選手にもビジュアル系というのは昔から存在する。ただしミュージシャンとは違って、実力のないビジュアル系は、当然プロにもなれない。またどこかの国のバレーボール・チームのように、女性人気を狙ってビジュアル系中心にチームを作っていれば、当然の結果、世界のレベルから取り残されることになる。

80-90年代はカニージャ(Ar.)、バッジョ(It.)、ゲレーロ(Sp.)などが名を馳せたが、今回はベッカム(En.)が注目の的。彼は余りにも騒がれるのがイヤで、一昨年来長髪を切ってスキンヘッズにしたが、その後は確かにフィーバーは少し納まったような気がする。他にも、トッティ(It.)、マルディニ(It.)、ジェラール(Sp.)、アルフォンソ(Sp.)、ヨルゲンセン(De.)、サビオ(Br.)、アイマール(Ar.)など。

[6]  猛者。ビジュアル系と対照的に、タフな、或いはいかにも強面の選手。女性ファンは少ないが、男のファンは以外にいて、けっこう地元では人気選手。こういう選手達は日常では、得てして優しい男が多い。やはりディフェンダーやゴールキーパーに多い。イエロ(Sp.)、デザイイー(Fr.)、チラベルト(Pa.)、シーマン(En.)、カーン(Gm)、、キーン(Ir.)など、ある意味で最も存在感のある選手たち。チラベルトはパラグアイの有力な次期大統領候補。シュマイケル(De.)は代表入りをを辞退しそう。若手ではアネルカ(Fr.)、ジェラード(En.)など。アネルカは高い素質をもつフォワードだが、問題児でチームを転々とする。スタム(Ne.)は出場できない。

[7]  大男。技は無くても、身長やゴツさ、パワーで勝負する、泥くさいタイプ。もちろん、サッカー好きには心からの人気はないが、一番ヤジをとばされたり、それなりにピッチに欠かせない個性なのだ。ヤンカー(Gm.)、クイーン(Ir.)、パレルモ(Ar.)など。

[8] 小柄な選手。前項が弁慶なら、こちらは牛若丸といったところ。今大会フランスと共に優勝候補No.1のアルゼンチンに多い。オルテガ、ガジャルド、サビオラ、アイマール(いずれもAr.)など。彼等は普通の日本人の若者よりも小さいが、超絶的技巧をもって、大男たちを翻弄する。そんなとき、子供たち(最も小柄なプレーヤー)も含めてスタジアム中が喝采を送る。彼らの好ましいところは、大金を稼ぐスターになっても、いつまでも場末のカフェにたむろする若者の風情を失わないところだ。あの「小さな巨人」マラドーナ(Ar.)も、世界一のプレーヤーになったあと、なんと幼なじみの平凡な女性と結婚した(国内でしか通用しない日本のプロ・スポーツの選手や監督と比較して見よ!)。そして今でもマラドーナは、地元のスタジアムに足を運び、裸になって応援してしまうような、ダライ・ラマ以上の「生ける神」なのだ。

ディフェンダーではロベルト・カルロス(Br.)、リザラズ(Fr.)など。前者は弾丸シュート、後者は動きの速さで知られる。両者とも左サイドバックだが、リザラズなどは守りもうまく、敵のゴール前までドリブル突破もできる最も近代的なタイプのプレ-ヤー。

[9] 愛嬌のある選手。カンポ(Sp.)、レコバ(Ur.)、バルテズ(Fr.)など。説明するのが難しいが、見ればすぐわかる。もちろん彼らも人気者だが、結構ポカやドジが多いことも何故か共通したところ。それでも人気は落ちない。

[10] 番外1-監督。今大会は中国、韓国、エクアドル、カメルーン、南アフリカなど、勿論サッカー後進国が外国から監督を招聘している。例外はサッカーの母国イングランドで、予選突破が危うくなり、かつてのスター選手キーガンを解雇して、初めての外人監督エリクソン(Sw.)を呼んだ。1998年のワールドカップと2000年の欧州選手権を連覇してフランスサッカーとその育成組織の評価が上がり、フランス人の指導者は国外でもモテモテだ。今大会では自国(=ルメール)の他に、セネガル(=メツ)、チュニジア(=ミシェル)、そして日本(---日本協会は殆どトルシエという人物の実体を知らずに、監督として招聘している。何でも流行に乗ろうとする日本人の習性の一例)で、フランス人監督が指揮を執る予定。現在、世界最高の評価を受けているベンゲル、ウリエなどのフランス人は、逆にナショナル・チームからのオファーを断りクラブ・チームに専念している。

[11] 番外2-サポーター。暴れ回るのが目的の「フーリガン」は論外だが、サッカー見物の楽しみの何割かは、見物人を見物することにある。これもプレーと同様、実際にスタジアムで見るのが理想だが、テレビでも少しは体験できる。ここ数年はCS放送ができて、海外サッカーが見ほうだい状態となった。これだけは文明の進歩に感謝したいところだ。日本でもスポーツ中継のときに時々観客の姿を撮したりしているが、海外の中継ではもっと頻繁にスタンドの観客を見せてくれる。そして、そこにもお国柄というものが表れる。日本では、まず殆どが若い、そこそこカワイイ女子が撮しだされる。イタリアやフランスなら、同じ女子でもいささか迫力が違うおねえさん方ということになる。これが英国だと、まずスタジアムに来てるのは、(一部の人気チームの試合は別として)30-50年は同じスタジアムに通い続けてるに違いなさそうなオヤジたちと、その後継者たる若者や子供たちだらけだから、どこを撮ってもとんでも無く気迫のこもった顔、顔、顔、になる。日本のなかではそこそこサッカーファンのつもりの自分でも、こういう方々の前では肩身が狭い。キャリア、根性の入り方、とてもレベルが違うと悟らされる。彼らのサッカーを見守る顔つきだけでも、一見の価値があるというものだ。


まあ他にもサッカーを見る楽しみというのは色々あるのですが、今回はここまでにしておきます。最後に一つだけ付け加えたいのは、サッカーの試合とは、必ずしも内容が面白いとは限らないということです。本当をいうと、面白い試合の確率は、甘く見ても10試合に一つといったところでしょう。さらにワールドカップのファイナルはいろいろ理由があって、特にこの確率が低いのです。ですから、ファイナル全64試合のうち好試合というのはせいぜい5試合だと思っていた方が無難です。たぶんこれは他のスポーツやコンサートなどでも似た現象があるのでしょうが、サッカーは本当にやってみないとわからない競技です。だからこそ面白いのだとも言えますが、勝負にこだわらず、上記のように人間観察?を楽しむのも悪くないと思います。

(2001年12月28日、記)


◆ 範例

Ar. =アルゼンチン、Br.=ブラジル、Ctr.=コスタリカ、De.=デンマーク、En=イングランド、Fi.=フィンランド、Fr=フランス、Gg.=グルジア、Gm.=ドイツ、Ir.=アイルランド、It.=イタリア、Li.=リベリア、Ne.=オランダ、nIr=北アイルランド、Pa.=パラグアイ、Po. =ポルトガル、Ru.=ロシア、Sp.=スペイン、Sw.スウェーデン、Uk.=ウクライナ、Ur.=ウルグアイ、Wl. ウェールズ

◆ 蛇足

サッカーの世界では、登録名が本名でない場合も多い。とくにブラジルでは目立つ。ペレ、ジーコ、ベベット、ジュニーニョなどは、少年時のあだ名がそのまま選手名になっている。ハゲちゃん、チビちゃん、ヤセッぽち、など放送禁止用語も多い。今回の代表にもロナウド、リバウド、カフー、ザーゴなど、大概の選手は短い登録名をもつ。いっぽうでロベルト・カルロスなどは逆に必ず名+姓で呼ぶ。

ラウル(Sp.)は、中田が以前言っていたようにゴンザレスとは絶対に呼ばず、必ず名前で呼ぶ。スペインは選手と観客の心理的距離が他のヨーロッパ諸国より近い。観客はしばしば、チャーリー、ピッコロなど、登録名とは違う愛称で選手のことを呼んできた。

今年の日本シリーズ後、若松監督が慌ててファンに「おめでとう」と言ってしまい話題になったが、ヨハン・クライフがバルセロナの監督時代に、優勝して、市民たちから「ありがとう」と声をかけられてびっくりした、と自ら語っている。クライフもこのとき初めて、監督も選手も雇われ人で、主人はあくまで市民であることに気付いたということだ。



ライブハウス映画村テレビ局オープンカフェホームページビレッジ暮らしの便利帳TOP
新聞社病院ステーションおすすめ商店街町役場
Copyright All Rights Reserved. elifestreet.com
イーライフストリートはNPO法人千日倶楽部により運営されています
ロゴ