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January, 2002

重い主題をダンスで活性化
10年ぶりの劇団四季オリジナル「異国の丘」


劇団四季が、10年ぶりに発表したオリジナル・ミュージカル「異国の丘」という作品名は、太平洋戦争中に遠い異境で苦闘した将兵たちが、遥かな故郷を思慕する心情を吐露した吉田正作の名歌曲の題からとったものだ。戦前の宰相近衛文麿の長男通隆の数奇な運命をたどるフィクションとして書かれている。

ストーリーは、主人公九重秀隆(石丸幹二)が、プリンストン大学に学んだ1937年のニューヨークで、中国総統夫人の姪宋愛玲(保坂知寿)と出会って恋におちる時に始まり、帰国後上海で日中戦争の和平工作に従事して失敗、満州に応召後シベリアに抑留されて、1956年非業の死をとげるまでの物語りである。

場面の展開は、何回も時代を前後するが、大筋の前半は、日中敵国同士の名門子女が相思の仲となるが、種々の妨害を受けて、愛玲が殺される悲恋物語で、四季のスター俳優石丸と保坂が、華やかなダンスパーティーや、緊迫する暗闘場面を通じてスリリングな演技を見せる。

後半は、シベリアの荒地に苛酷な労働を課せられる捕虜達の11年に及ぶ生活の多層な断面が描かれる。秀隆と親友神田(深水彰彦)との真剣なやりとり、「異国の丘」を始め故国を偲んで合唱する望郷の唄、帰れぬ身を呪った平井(有馬光貴)が家族への伝言を仲間に託し、全員が合唱して記憶する「遺言」の唄、スパイ容疑を認めぬため帰国直前に薬殺される秀隆の最後などなど、忘れかけたシベリアの暗黒面と一筋のヒューマニティーとが男性俳優多数の大熱演で、リアルな切迫感に深い感動をもたらす。

前作「李香蘭」以上に硬派の戦争物で、重い舞台になり勝ちな主題を、練りに練った脚本、内容濃い作詩と心をゆさぶる三木たかしの作曲、唯一の派手なパーティー場を、30年代のスウィングダンスで活性化した加藤敬二の独創的振付などで、面白く見られる舞台に仕上げたのは流石だ。観客の大部分を占める女性達が、心底からの感動の拍手を繰り返していた姿に、演劇的良心の投影を感じて私は嬉しかった。




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