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ごあいさつ

井坂聡フィルモグラフィー

映画雑記帳

 




第1回 『模倣犯』、『突撃せよ 浅間山荘』



 皆様、こんにちは。映画村助役の井坂聡です。皆様に新しいコーナーを開設すると『公約』したにも関わらず、こんなにも遅れてしまったことを先ずお詫びいたします。今後は先ずは月1回ぐらいのペースで映画雑記帳のような形で、駄文を寄せたいと思いますので宜しくお願いいたします。

 それでは早速第1回ということで……。

 現在公開中の森田芳光監督の『模倣犯』、もうご覧になった方も多いことと思います。私は完成披露試写会で拝見しました。ちなみに私は原作を読まずに見ております。

 私の正直な感想を先ず申し上げると、森田さん特有の映像の遊びばかりが目について、話にちっとも入り込めませんでした。それは中居君演じる主人公をはじめとする登場人物に(山崎努さんを除いて)、誰一人として人間的な興味を感じなかったからです。

 その人間が善人であろうと悪人であろうと、人間である以上個性があるわけですし、そこに何か他人の目を引くものがあるから映画の『役』として存在すると私は考えます。その『役』をどう掘り下げて観客の心に定着させるのか、ということが監督の仕事だと思うのですが、森田監督の興味は違ったようです。森田監督が夢中になっていたのは、『役』をどう撮影するかということでした。それは『役』の理解を助けるための撮影ではなく、単に映像的にどう凝って面白い画を撮るか、ということだったように感じます。では、それで徹底するのかというと、最後の方で山崎さんの重い芝居の前では、突然遊び的なカメラワークを放棄してしまい、非常にオーソドックスな(私流に言うと、芝居の見やすい)撮影手法を取っていました。それは狙いとは思えませんでした。山崎さんの迫力の前に圧倒されたに違いない、そんな意地悪な感想を持ちました。

 実は、この作品に限らず、最近こういう傾向の作品が増えてきていると思います。やはり先日まで公開していた『突撃せよ 浅間山荘』も映像的には非常に凝っています。この作品の原田眞人監督は、アメリカでの生活も長く、ハリウッド的な細かいカットを連発する演出をします。前々作の『金融腐食列島』もそうでした。しかし両作品を通じての私の不満は、監督の意識が撮影や編集に行き過ぎていて、肝心のドラマや主人公がなおざりにされているということです。『浅間山荘』は、実在する佐々淳行氏がモデルの話ですが、まるで彼一人であの事件全てを解決したかのような構造になっています。アメリカの戦争映画で、ヒーローが単身敵地に乗り込んで超人的な活躍の末、仲間を救出する。そんな構図にぴったり当てはまる映画です。そういう映画を作りたかったのだ、と言われればそれまでですが、実際の事件を描く以上もっとデリケートにするべきだったでしょうし、傲岸不遜な鼻持ちならない主人公、という印象しか私には残りませんでした。

 映画ですから、映像を魅力的にすることは勿論大事なことです。でも、そこで忘れてはならないのは、大前提としてストーリーと役者の演技を、一番的確に分かりやすく伝えるために撮影は行われる、ということです。これを間違えてしまうと、コマーシャルのような刺激的な映像の羅列に終わり、中身は何も伝わらないことになります。

 私も映画監督ですから、批判も沢山受けます。先に挙げた両監督のような大ヒット作品もありません。自分が思ってることが、自分の映画でちゃんと実現できているかと言われれば、そうでないことも多々あります。でも、このままでは日本映画全体がどんどん荒んで行くのではないか。そんな危機感を持っています。

 あえて、一回目から辛口の話で始めてみました。皆様の感想はいかがでしょうか。日本映画への希望や、私個人への意見も含めて、色々語り合うきっかけになればと思います。どうぞご意見、どんどんお寄せくださいませ。


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